未来へのメッセージを紡ぐ「タイムカプセル」

図書館の新たな風景を創造するパッケージデザイン

知性と遊び心を兼ね備えた「タイムカプセル」が、空間に新たな動きをもたらします。

南元コウイチによる「タイムカプセル」は、図書館の書架に並ぶ書籍のようにデザインされています。五色のカラーレンジが空間に動きを生み出しつつ、辞書のような落ち着いた美しい雰囲気を創出します。MUFGパーク内にある町の図書館で年間貸出されるこのタイムカプセルは、利用者が大切な宝物や家族の記念品などを収め、未来の自分や特別な誰かに向けて時間を超えた思いを届けるためのものです。

南元のデザインは、日本特有の自然環境を考慮し、地震が頻繁に起こることから、高い位置に本を配置することのリスクを避けつつ、図書館の知的な雰囲気を損なわないように配慮されています。その結果、タイムカプセルは本のような外観を持ち、図書館の雰囲気を維持することを意図してデザインされました。

色彩と素材の選定には複数回のシミュレーションが重ねられ、図書館空間に美しく並ぶタイムカプセルを実現するために、機械製造と手作業の組み合わせが可能な森田コーポレーションによって製造されました。人々が自宅で大切に保管しているアイテムや、タイムカプセルに入れたいと思うものに関する研究をもとに、箱のサイズとデザインが決定されました。

このプロジェクトは2022年6月に始まり、西東京市で2023年6月に完成しました。図書館に魅力的なデザインが求められる昨今、1000を超える町の図書館でのユーザーデータを活用し、利用者のニーズを理解するためのデザインプロセスが行われました。タイムカプセルは、空間の視覚デザインだけでなく、コミュニケーションデザインとしての機能も果たします。

長期間にわたって展示されるこのパッケージは、色あせしにくい色や、反りにくい紙材料を選ぶことが考慮されました。南元によるタイムカプセルは、西東京にあるMUFGパーク町の図書館で年間貸出され、公共の場に魅力的なデザインを提供すると同時に、コミュニケーションデザインとしてのアプローチも魅力的です。

このデザインは、2024年のA'パッケージデザインアワードでブロンズ賞を受賞しました。ブロンズA'デザインアワードは、経験と創造性を証明する優れたデザインに授与され、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを組み込んでおり、強力な技術力と創造力を持ち、生活の質の向上に貢献し、世界をより良い場所にしています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Koichi Namimoto
画像クレジット: Photographer: Masahiro Tamura
プロジェクトチームのメンバー: Koichi Namimoto
プロジェクト名: Time Capsule
プロジェクトのクライアント: Lang Design


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